1977年4月15日の創刊以降、小学生向けの月刊漫画雑誌として根強く人気がある小学館「月刊コロコロコミック」。
吉野あすみ氏が連載中の「やりすぎ!!!イタズラくん」のとある1シーンが原因で、国際問題に発展しているという。
一体何があったのか、リサーチしました。
吉野あすみ氏「やりすぎ!!!イタズラくん」での落書きシーン
騒動の発端になっているのが、2018年2月15日に発売された「月刊コロコロコミック 3月号」(小学館)。
連載中の吉野あすみ原作ギャグ漫画「やりすぎ!!!イタズラくん」で、あるワンシーンに問題のページが掲載されています。
モンゴルのトゥグルグ紙幣に肖像が使用されるなど、モンゴル帝国の初代皇帝で偉大な英雄とされる「チンギス・ハン」のイラストに、男性のソレを模した落書きだけでなく、人物名の空欄を埋める部分にダイレクトな書き込みがされています。
さらに問題はこれだけでなく、落書き作品を読者から募るという企画まで行っていました・・・。
学生の頃、歴史の人物画などに落書きをしていた人は多くいるかとは思いますが、出版社としてこれを掲載するのは常識的に考えてマズいですね・・・。
大相撲の元横綱・朝青龍氏が激怒
これを見たモンゴル出身の元横綱である朝青龍(本名:ドルゴルスレンギーン・ダグワドルジ)氏は、2月22日に怒りのツイートを連投。
なー言いとけどなー!!先祖バカにするお前ら!!品格がない日本人!!許せない!!謝れ!!謝れ!!謝れ!!どこのゴミの会社!?
我が国東アジアで一番の平和である国!!日本国まりに日本と平和国ありますか?てきばっかりの国々!!なぜこんな事おかした?
よっぼど中国人がましや!!あれ得ない!!悲し涙!!大好きな日本人がこんな風に!!
Asashoryu 第68代横綱朝青龍
朝青龍氏は2017年8月頃からモンゴルの新大統領から日本担当の外交顧問および大統領特別大使に指名されるなど、政府とも親密な関係がありました。
自国が誇る人物を侮辱されたとなれば、激怒するのは当然とも言えます。
駐日モンゴル大使館は公使参事官の署名入りで抗議文掲載
今回の問題を受け、2月23日に駐日モンゴル大使館の公式フェイスブックから以下のような抗議文が掲載されました。
※原文はモンゴル語となっています。
月刊コロコロコミック(3月号)で、モンゴル国の歴史と文化だけではなく、日本の政府、国民のモンゴルとの友好関係を強化し続けたいという意志までも見下すような内容の、道徳性の欠如したイラストが掲載されました。
これは単なる非道徳的な行為だけではなく、わいせつ物頒布、児童の権利の保護に関する日本の法律にも違反していると考えています。
したがって、このような非礼な行為を非常に残念に思い日本外務省に抗議の意を示すとともに、この件に関して法律の下での適切な対応をしていただけることを期待しています。
翻訳:バークレーハウス語学センター
これは事実上の国際問題へ発展したことを意味していると考えられます。
その後、小学館側は事の重大さを把握したようで、公式サイトにて以下のような謝罪文を公表しています。
2月15日に発売致しました弊社月刊誌「コロコロコミック」3月号掲載の漫画『やりすぎ!!!イタズラくん』において、モンゴルの英雄であるチンギス・ハーンに関する不適切な表現があったことにより、モンゴル国国民の皆様をはじめチンギス・ハーンを敬愛する全ての方々にご不快の念を抱かせましたことを、深くお詫び申しあげます。
今後はかかる事態を起こさないよう、モンゴルの歴史・文化に関する知見を深め、一層の配慮をして参る所存です。
なお2月23日、同趣旨の謝罪文を、モンゴル国のダンバダルジャー・バッチジャルガル駐日臨時代理大使に直接お渡し致しましたので、あわせてご報告致します。
小学館 公式サイト
大使館が“法律の下での適切な対応をしていただけることを期待”というコメントからも、今回の問題は謝罪だけで済みそうにないですね。
ネット上では以下のような意見が挙がっています。
まーいかにもコロコロなしょーもない子供向け下ネタギャグなんだけど、今は色々気を使わなきゃいけない時代だから謝罪もしょうがないかな
モンゴルの方が怒るのも無理ないよ。これは募集したらダメなやつでしょう。日本人でも最初見た瞬間ドン引きでした。
小学生は教科書の肖像画に落書きするけど、雑誌がやっちゃダメだよね。
小学館は最近、不適切表現が多いんじゃないの?子供には読ませたくありませんね。
どこからはダメ、というのをきっちり編集部がチェックしなきゃならない。今回の件は作者ではなく出版社の責任
著者の配慮も必要ですが、何より出版社側が今回の問題を抑止出来なかったのかという点が指摘されています。
今後の漫画にも少なからず影響が出ることが予想されますね。
以上、最後までお読み頂きありがとうございました。
コメント