新型コロナウイルスの感染者増大で病床が逼迫され、ホテルや自宅療養を余儀なくされています。
そんな中、自宅療養を選択した人に配食された内容が、コストカットで栄養バランスを度外視しているとして問題になっています。
一体何があったのか、リサーチしました。
発端となった、自宅療養者のツイート
2021年1月29日、大阪市で自宅療養を選んだ人に市から配食された食品の様子がツイッターで投稿されました。
大阪市で自宅療養を選ぶとこちらの食料が送られてきます。
発熱発汗で電解質を失うので、ポカリスエットがあれば、生存率も上がります。
医食同源ですので、豪華さではなく、「療養食によって回復」という用途を医学面から考えて欲しいのです。
住民の命がかかってます!すぐに対応すべきです pic.twitter.com/N7TiDA3ils— rjrj (@dtpqqd) January 28, 2021
全体が見えないですが、カップ麺などの保存食が中心に入っているように見受けられます。
毎日このような食事で過ごすのは、さすがに塩分の摂り過ぎや栄養バランスが悪すぎるような気がしますね・・・。
この点について、大阪維新の会・藤田あきら議員が具体的なメニューについて明かしています。
また、メニューについては栄養士が監修しているとも述べています。
内容については市の保健所の栄養士さんが監修しています。
コロナ陽性者への配達につき、対面では配達できないため、食品衛生上生鮮食品は入れることができません。
藤田あきら 大阪市会議員(維新の会)
素人観点でも栄養バランス大丈夫か?っていうレベルですが・・・。
ぜひ監修したという栄養士の方に、どういう栄養バランスに基づいてメニューを考えたか説明して頂きたいものですね。
カップ麺が何個も入っていますが、塩分とか大丈夫なんでしょうか??
“内容はSNS等で公開しないように”という怪しい文言
次に指摘されているのが、配食と共に入っていた案内のチラシ。
その紙には自宅療養される方への注意や窓口などが記載されたものと、配食サービスについて記載された2枚があります。
「配食サービスについて」の案内に目を通すと、以下のような文章が見受けられます。
また、商品の写真等、本事業に関する情報は、SNS等で公開しないようにお願いします。
この文言についてツイッタ―上でかなり炎上しており、前述の藤田あきら議員は以下のように説明しています。
中身が特定されることによって、その商品のゴミを捨てていたらあの家はコロナじゃないかとか、そういう風評被害が出る恐れがあるからです。また、その商品を作っている企業がコロナで儲けているなどの心ない誹謗も想定されるため、内容が特定されるようなSNSでの拡散は控えて頂く様お願いしています。
— 🌻藤田あきら 大阪市会議員(維新の会) (@fujita_akira_) February 1, 2021
理由はまぁ・・・分からなくないですが、ちょっとこじつけ感は否めないですね。
少なくとも、他の地域では配食サービスのお弁当や、引き渡し方法など、きちんと公開している地域も多く見受けられます。
そんな中で風評被害が・・・と言われても、納得できるような回答ではないですね。
国からは1週間あたり最大31,500円補助が、実際は11,000円の配食
厚生労働省新型コロナウイルス感染症/対策推進本部からは、感染者の自宅療養においての配食サービス補助として、以下のように定めています。
新型コロナウイルス感染症対策事業においては、1食当たり 1,500 円、1日3食当たり 4,500 円(いずれも配送費、飲料費を除く)を上限としている。
令和2年5月1日/厚生労働省新型コロナウイルス感染症 対策推進本部
ネット上で話題になっている「1週間あたり最大31,500円の補助」というのはここから来ています。
1,500円 × 3食 × 7日 = 31,500円
つまり、国からは1週間あたり31,500円(配送費、飲料費を除く)を上限として、配食サービスを提供することと定めています。
では、実際の所どうなのか。
大阪市のホームページで、「新型コロナウイルス感染症に係る自宅療養者への配食サービスを実施します」というページが公開されていました。
その中で自宅療養者の配食サービスとして、以下のように明記されています。
内容:食料品7日分のセット(無菌米飯、レトルト食品、即席スープ、牛乳、缶詰、海草サラダ、シリアル食品等)
経費等:約11,000円(1セット) (注)補助率10分の10の国庫負担
2021年1月13日/健康局 大阪市保健所 感染症対策課 新型コロナウイルス感染症対策グループ
配食サービスは1週間あたり、約11,000円で提供しているようです。
そうすると、国が補助するという上限から、差額20,500円が生まれていることになります。
かかった経費だけ国に請求するということであれば特に問題はないかと思いますが、国からの補助を上限まで予算として大阪市が確保していたとしたら、その差額はどこにいった・・・?ということになります。
差額がどのように取り扱われているか、きちんと説明されていないため、ネット上で“中抜きしているんじゃないか”という指摘がたくさん挙がっている状況です。
また、そこまでの上限であればもう少し栄養バランスが取れたメニューを提供出来るのでは?という指摘も多いですね。
ネット上では以下のような意見が挙がっています。
配食をSNSに公開するなって自治体は他にどこにもない。
大阪だったら「値切りまくってこの価格でこの食事を用意できました。これぞ大阪モデル。拡散してください」とやってもいいのになぜか隠蔽。
地元の駅弁屋から駅弁各種買い上げて配ってる神戸市とはえらい違いだな。
カップラーメンもおやつにはいいけどケチなことしないで栄養あるやつ送ってやれよ。
今はレトルト食品けっこう充実してるのに病人にカップ麺ばっか食わせるのか。治るもんも治らんわ。
経費および予算、メニュー内容など、色々な観点で批判が殺到しています。
大阪市は何かしらの説明をしなければ、収拾がつかなそうですね。
以上、最後までお読み頂きありがとうございました。
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